「人的資本」という言葉を耳にしたことはありますか?

最近では、企業の価値向上のために人材の価値を最大限に引き出すという「人的資本経営」という経営方針が流行ってきています。

「人的資本」とは学問的に様々な解釈がある言葉ですが、
資産運用的な観点でいうと「その人が一生涯で生み出すことができる収入の期待値」と表すことができます。
例えば、年収500万円の30歳の会社員の人の場合、60歳でリタイアすると仮定して500万×30年=15,000万円となります。
(実際には賃金上昇や退職金、割引率などを加味する必要がありますが、ここでは分かりやすくするために考慮しません。)

より分かりやすく変換するといわゆる「その人が一生涯で稼ぐ能力(収入)」です。
一般的に「人的資本」は図のように、20代が一番高くなり、年齢が上がるにつれて下降していきます。

なぜなら、20代の若い世代の人は能力自体は低いかもしれませんが、将来にわたって働くことができる時間がまだまだたくさんあるからです。
そして、歳を重ねるにつれて、働くことができる時間が減少していくため「人的資本」も減少していくということになります。

金融資産

一方で、「金融資産」は20代のうちは少なく、歳を重ねるにつれて増えていきます。
そして多くの人はリタイア後に、積み重ねてきた金融資産を切り崩していくという流れになっていきます。
その流れの中で、「金融資産」を効率的に増やしていくために資産運用を行うという考え方が一般的だと思います。
それももちろん正しい考え方です。

しかし、「資産運用」=「金融資産運用」だけではありません。
「人的資本」もとても重要なあなたの資産です。

20代~30代の若い世代の資産形成で最優先するべきことは、「人的資本を向上させること」です。

仕事のスキルを上げる、たくさんの経験を積む、良好な人間関係(人脈)を築く…など
将来を見据えた努力をしていくことで生涯年収が上がり、効率的に人生をより豊かにすることができます。

このように、「人的資本」と「金融資産」の2つの運用をバランス良く行っていくことが現代の資産形成でとても大切になっていきます。

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